2025年12月09日更新
「混合団体ワールドカップ2025」銀メダル獲得!

写真:「混合団体ワールドカップ2025」銀メダル獲得!

日本対中国の決勝戦が行われました。

結果は「8-1」で中国の力が上回る結果となりました。卓球以外でも何かと注目されていましたね。

いつものように「純粋に卓球観戦!」とはちょっと違う感じでしたでしょうか。試合後の選手のインタビューを少し書いてみました。

松島選手
•完敗という結果への受け止め

中国ペアとの対戦について、両選手のプレーが非常に安定しており、「本当にやることはなかった」「完敗だった」と総括しています。
初めて組むパートナー(大道選手)での試合かつ格上ペアとの対戦で、自分たちの力を発揮する前に主導権を握られてしまった印象が強く、力の差を素直に認めるコメントをされていました。

•前半の入りの重要性への気づき
「前半にリードされていて」「相手が余裕を持った状態になる」と述べ、序盤で主導権を握られると、その後良いプレーをしても流れを変えにくいと分析。

次回以降は立ち上がりから相手に先行されないこと、特に前半の入り方やゲームプランの重要性を強く認識したことが、今回の大きな学びとして語られていました。

•過密日程による肉体的・精神的疲労
シングルス、ダブルス、混合ダブルスすべてに出場し「試合数が多くて疲れた」「かなりハードだった」と率直に述べています。

試合数の多さが体の疲労として蓄積し、それがパフォーマンスに影響した可能性も示唆しています。国際大会の連戦を戦い抜くためのコンディショニングや体力面の課題も。

•特殊ルール・ボールへの対応とやり切った手応え
「普段の試合では味わえないルールやボール」で難しさがあった一方、「最後までやり切ることができたのでよかった」とポジティブに総括しています。

環境の違いに適応しながら、最終日まで戦い抜いた経験自体が今後に生きるという前向きな見解であり、大会を通じて国際ルール・用具への対応力が高まったことを示していました。

大藤選手
•中国ペアの強さと完封に近い展開

試合を「本当に強かった!の一言」「何もやらせてもらえなかった」と振り返り、最初から最後まで相手ペースで進んだと分析しています。

自分たちの戦術や持ち味を十分に出せず、世界トップとの力量差と試合運びの巧みさを痛感したとコメント。

•松島選手とのペアでの成果と評価
キャリアの浅いペアでの出場ながら「2勝1敗、勝ち越しで終われたのはよかった」と手応えも語る。

苦しい試合も多かったが、新ペアとして一定の成果を残せたことに前向きであり、この組み合わせに対して今後の可能性を感じていることがうかがえました。

新しい組み合わせで結果を出せたことが自信にもつながっている。

•新ルール・新オーダーの新鮮さと順応
「初めての混合団体」「初めてのルール・オーダー」と強調し、当初は緊張感もあったが「最後の方はしっかり馴染んで試合ができた」と語る。

試合形式や起用順が普段と違うことで戸惑いもあったが、試合を重ねる中で役割や流れを理解し、チームフォーマットでの戦い方を学んだ点を大きな収穫として挙げています。

•経験を次に生かす意欲
新フォーマットでの戦いを通じて得た経験を「次に生かしたい」と明言している。

これは単なる大会の結果だけでなく、団体戦の中での自分のポジションやメンタルの持ち方、ダブルス・ミックスでの役割など、総合的な学びを今後の国際大会につなげるという前向きな姿勢を示していました。

張本美和選手
•同じ展開で負けることへの悔しさとゲーム運びの課題

何度か対戦しているワンマンイク選手に対し「負け方が一緒になってしまったのが悔しい」と述べ、同じパターンで崩されていることを問題視している。

1ゲームの中で良いボールは入るが「11本取るには遠い」「ずっとリードされると思い切りできない」とし、ゲーム全体を通じた得点の積み上げ方や、ビハインドからの思い切ったプレーが課題と自己分析していました。

•一本一本を大事にする姿勢と粘り
特に1ゲーム制の重要性を意識し、「諦めずにやれば相手にプレッシャーをかけられる」と考え、アドビハインドからでも一本一本大切に戦ったと振り返る。

スコア上は苦しい展開でも、プレッシャーを与え続けることで流れを変える可能性を見出しており、メンタル面の成長と試合中の粘り強さを強調している。

•監督陣への感謝と出場機会がもたらした成長
二年前は混合団体でシングルスに出場していなかったが、今大会では多く起用されたことについて「成長になったし、経験になった」と語る。

男子監督・女子監督双方への感謝を強く示し、起用されることで責任感と自覚が増し、それがプレーのレベルアップにつながっていると捉えている。

•チームに勝利を届けられなかった悔しさと今後への決意
最後に勝利をチームに届けられなかったことを「申し訳なかった」と表現しつつ、「これからもっと強くなれるよう頑張りたい」と決意を表明している。

チーム戦の中での自分の役割の重さを自覚し、その期待に応えられなかった悔しさをバネに成長していこうとする姿勢をしめされていました。

•兄へ勝利のバトンを渡すことの喜びと決勝での悔しさ
これまでの試合では自分が勝って兄にバトンを渡せていたが、決勝では1ゲームも取れなかったことを悔しがっている。

それでも、兄と混合団体で一緒に戦えたことを「すごく心強い」「楽しかった」と表現し、結果だけでなくプロセスや家族で戦う経験自体を大切にしている。

•今後も兄と一緒に出場したいというモチベーション
「また混合団体があればお兄ちゃんと一緒に出られるように自分も頑張りたい」と述べ、兄妹での代表入りを継続することが自らのモチベーションにもなっていることを示す。

家族リレーは日本チームの象徴的なストーリーであり、その一員として戦う誇りが感じられるコメントとなっている。

張本智和選手
•苦しい展開での出場と「次につなげる」意識
チームが苦しい中で登場したことについて、「男子・女子に助けてもらったので、次の男子につなげたい意思で戦った」と語る。

チームメイトからリードを託される立場として、流れを変え、次の試合へ希望をつなぐ役割を強く意識していたが、ランキング上位の中国選手相手にそれを成し遂げられず悔しさをにじませている。

•準備の手応えと中国の強さを踏まえた課題認識
準決勝後に決勝シングルス出場を知らされ、いつも以上に入念に準備・対策を行い、「準備通りのものは出せた」と一定の手応えを語る一方、「今大会シングルスは思ったようにできなかった」と自己評価している。

相手が最強の中国であることを踏まえ、勝ち切るためには準備と実力のさらに一段上のレベルが必要と強く認識している。

•大会を通じての複雑な感情と「ノーサイド」の捉え方
「いろんなことがあった大会」としつつ、詳細には触れず、「結果が出てノーサイドでスッキリした気持ちもある」と振り返る。

ただ、得たものや経験を忘れることはないと強調し、この大会を今後の糧として冷静に整理していく構えを示している。試合外を含む様々な出来事を内包しながらも、前向きに受け止める姿勢がうかがえました。

•中国選手へのリスペクトと実力での勝利への執念
「中国の選手には何も非がない。ただ強いだけ」と述べ、対戦相手への敬意を示す。

その上で「実力で勝って次は決められるように、そこだけに向かって全員で頑張りたい」と話し、審判や外部要因ではなく純粋な実力勝負で勝つことを目標に掲げている。

これは日本代表全体としての共通の目標意識を代弁するコメントとなっている。

•妹をはじめとしたチームメイトへの感謝
多くの場面で自分がリードされた状態で回ってきたことに触れ、「気持ちよくプレーさせてもらった」「美和やミックスダブルスのメンバーに感謝したい」と述べ、妹や他ペアの貢献に感謝を表している。

兄妹リレーは単なる家族の話にとどまらず、チーム全体のリレーの一部として捉えている。

•順番よりも「自分の試合に集中する」重要性
中国との試合では苦しい展開を想定した上で、「順番ではなく、一人一人が自分の試合に集中して2130%の気持ちでやれれば、来年以降チャンスはある」と語る。

オーダー議論よりも、誰がどの順番で出ても勝てる実力とメンタルを個々が備えることが重要という認識であり、チーム全員が主役であるべきというメッセージを含んでいます。

•チームの層の厚さへの手応え
「今年は11試合ほぼ全部でリードした場面で回ってきた」と述べ、男女含めてチーム全体が得点を先行するシーンが増えたことを実感している。

それを「チームの層が厚くなった、男女ともに本当に強くなった」と評価し、日本代表の総合力の向上を大会最大の収穫の一つとして挙げている。

WTTフアイナルズへの4選手全員

•張本智和選手
:悲願の優勝への強い決意
WTTファイナルズでこれまで3度準優勝していることを踏まえ、「今度こそは優勝したい」と明言。
次回は香港開催で「苦しい場面は想定される」が、「強い気持ちを持って5度目のファイナルズ(※出場)で必ず優勝できるように」準備すると語る。

今大会のプレーをさらに磨き、残り少ない時間で仕上げて優勝を掴みたいという明確な目標を示している。

•張本美和選手
:限られた準備期間での一戦必勝
試合数を多くこなせるよう一戦一戦を大事に戦うこと、短期間で時差やコンディション調整をしなければならない中で「今できること・持っているものでどう戦うか」を準備すると述べている。

リソースには限界がある中で最大限のパフォーマンスを出す、現実的かつ前向きな目標設定となっている。

•大藤選手
:不本意な一年を締めくくる場としてのファイナルズ
今年一年は自分の中で満足のいく成績を残せなかったと振り返りつつ、「最後に思い切って自分のプレーをして、一つでも多く勝ちたい」と話す。

ファイナルズをシーズンの集大成・挽回の場と位置づけており、プレッシャーよりもチャレンジャーとして攻める姿勢を前面に出している。

•松島選手
:シングルス初出場としてのチャレンジと優勝目標
ファイナルズのシングルスは「初めて」とし、「しっかりいい選手と戦って、結果的には優勝を目指して頑張りたい」と意気込みを語る。

世界トップ選手と対戦する舞台を貴重な経験と捉えつつ、単なる経験ではなく優勝を視野に入れて臨む高い志を示している。

本インタビューは、卓球混合団体ワールドカップにおける中国との決勝戦後の日本代表選手たちの総括であり、完敗を認めつつも、序盤の入りの重要性、新ルール・フォーマットへの適応、兄妹リレーや新ペアの手応えなど、多面的な学びが語られています。

同時に、中国チームへのリスペクトと「実力で勝つ」という明確な目標、チームの層の厚さへの自信が共有された。4選手とも、年末のファイナルズを次なる挑戦の場として位置づけ、それぞれの課題と決意を持って優勝・躍進を目指す姿勢で一致していました。